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(Photo by Rene Huemer)
新しいテクニックに一日中トライしていたら、指が痛くなってしまった。
お医者さんによると「指の使いすぎ」だそう。
確かに同じ動作を繰り返して、負担をかけたもんなあ、と思う。
それと同時に「なんだか清々しい」と思っている自分もいる。
ひとつの限界を突破したんだもの。
もちろん、それが指である必要はないのだけど。
安静にしていれば、指はすぐに治るとのことで一安心。
不思議なもので、ダメと言われると、妙にギターを弾きたくなる。
最近見ているグレイトフルデッドの過去の映像のせいかもしれないけれど、やはり気付く。
音楽は楽しい。
グレイトフルデッドの50周年ライブ「Fare Thee Well」
これが彼らの最後のツアー、07/05/2015。
伝説のカリスマ、ジェリー・ガルシアの亡くなってから、20年目のタイミングだ。
60年代なかば、カウンターカルチャーの中でデッドは産声をあげる。
ケン・キージーがニール・キャシディのバスでアシッド・テストに全国をまわり、アレン・ギンズバーグは『吠える』を朗読した、あの熱気あふれる時代。
ベトナム戦争に反対し、自然回帰したヒッピーたちが作った時代。
デッドが歩みを止めることは、時代のひとつのけじめだ。
60年代カウンターカルチャーに僕はずっと惹かれ、心のよりどころにし、ケルアックやブコウスキーに憧れた。
もちろん、これからも変わらずに輝き続けるだろう…だけど、ひとつの旅の終わりでもある。
その旅の終わりに、トレイ・アナスタシオがいたこと、胸が熱くなる。
トレイはジャムバンド「フィッシュ」のギター・ボーカル。
今のジャムバンド・シーンを支えていると言っても過言ではない、影響力のあるバンドだ。
フィッシュは即興演奏という音楽の観点だけでなく、ビジネスモデルもグレイトフルデッドをお手本としたバンド。
その根底には、やはりグレイトフルデッドへの憧れがあると思う。
ジェリー・ガルシアに憧れた男が、ジェリーの代役じゃなく、トレイ・アナスタシオという唯一無二の存在として、グレイトフルデッドに迎え入れられた。
ここにもう本当に、すごく熱いものを感じる。
僕のヒーローは、やはりヒーローだった。
…と、そんなことに思いを巡らせていると、トレイの演奏するデッド・チューンに合わせて、僕もジャムりたくなる。
時代の終わりは、時代の始まりでもある。
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