くさび(楔)とは、堅い木材や金属で作られたV字形または三角形の道具。
一端を厚く、もう一端に向かってだんだん薄くなるように作られている。隙間に打ち込むための形状である。その用途として、
- 隙間を広げて物を割る
- 物と物とが離れないように周囲から圧迫する
というまったく逆のような目的がある。
(くさび - Wikipedia)
その当時好きだったもの、人、こと、場所…そういうのが一発で思い出せる目印。
よく「香りで当時の記憶が蘇る」なんてあるけど、僕が言っているのはまさにそういうもの。
こういうことを考えていると、たまに宇宙飛行士になったような気分になる。
人生の起点から延びている一本の線で無重力に漂う。
20代の前半だった頃から思うと、今はあの頃の失敗が結構良い味を醸し出してきている。
喉元過ぎればなんとやら、酒の良い肴になったりもする。
僕は以前こういう風に物事が穏やかな思い出になっていくことが嫌だった。
なんだか諦めている気分になる。
その当時はそう考えていたわけで、決して間違いではない。
それから年齢を経て思うのは、全てのことは良くも悪くも過去になっていくこと。
ずっとポケットに入れていられるわけじゃない、どこかで落とすこともある。
「あの時の自分」の持ち物であって、「今の自分」の持ち物ではなくなる。
人生についてなんて全く分りはしないが、おそらくそれが乗り越えていくことなのだと思う。
あの楔を打ち込んだ壁から、あなたは今どこにいますか。
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