2017年9月19日火曜日
ビル・フリゼールから学べること
こんにちは。ギタリスト・ウクレレプレイヤーの出葉広貴です。
youtubeをはじめ、さまざまな動画サイトが発達した昨今。
音楽を楽しむうえでも必要不可欠な存在になってきましたね。
勉強に関しても同じことが言えまして、CDを聴くしかなかった時代とは大きく変わってまいりました。
あのプレイヤーがどうやって演奏しているのか、家にいながら動画で知れるようになったわけですね。
目から学べる情報というのは大きく、うまく活用できると格段に有用なものです。
そんな動画コンテンツを、プロギタリストはどういう点を気にしながら観ているのか、一緒に動画を観ながら学んでまいりましょう!
今回の課題曲はBill Frisell "A Hard Rain's A-Gonna Fall"。
Fretboard JournalさんのYoutubeチャンネルにアップロードされています。
なぜこの曲を題材に選んだのかというと、単純な話でして僕が最近よく観ながら研究していたからですね。
Bill Frisellはずっと好きでして、彼のアルバム『Good Dog, Happy Man』のレビュー記事も以前書きましたので、ぜひご覧ください!
Good Dog, Happy Man/Bill Frisell
多く取り入れられたハーモニクス、深く幻想的なリバーブ、複雑に交差するハーモニクスの中で聴こえる素朴なメロディライン、これぞBill Frisell!…なアレンジだと思います。
この演奏を観ながら僕が着目していたことをいくつか書き出していきますね。
読者のみなさんに新しい視点を知ってもらえたら嬉しいですよ!
まずはギターについて!
使用しているのはFender Telecasterですね。
トラディショナルな3ウェイ・ブリッジのモデルですが、フィンガーボードはは22フレットまであります。
ピックアップはフロントがP-90タイプ、リアは一見シングルに見えますが、シングルサイズのハムバッカーのようですね。
コントロール・ノブはふたつ。
おそらくボリュームとトーンだと思いますが、動画からはわかりませんね。
ピックアップ・セレクターの位置から、P-90タイプのピックアップを使用して演奏していると思われます。
ピックは緑色。動画からブランドなどはわかりませんが、サウンドの傾向と色から推測していきましょう。
中域に厚みがあり、硬質なサウンドからして極薄のピックではなさそう。
かといって 低〜中域が出過ぎている印象も受けないので、極厚ということもないでしょう。
ここから推測するに、Jim Dunlop Tortex Standard 0.88mmかなあ、と思いますが、これも調べてみないとわからないですね。
つぎはアンプをみてみましょう!
たくさんのアンプに囲まれていますね。
一見しただけではどれを使用しているかわかりませんが、マイクが立っているので、おそらく後ろにある茶色のアンプでしょう。
レトロなルックスでステキですね!ビンテージでしょうか。アンプの右下にうっすらとGibsonの文字があります。
Gibsonのアンプには詳しくないのでモデル名がわかりませんが、このサウンドを目指すなら調べてみる価値がありますね。
マイクは丸い球体で、おそらくコンデンサーマイク。
マイクの種類やブランドによっても変わりますから、ここも調べる価値のあるところでしょう。
さて、やっと演奏を観ていきますよ!
まずはピッキングが気になります。
ナチュラル・ハーモニクスがたくさん出てきますね。
ピッキングする位置に注目してみましょう。
ハーモニクスで弾くときはリア・ピックアップのあたり、メロディを弾くときはフロント・ピックアップのあたりで弾くことが多いようです。
硬質なハーモニクスのサウンドと甘い実音のメロディの対比がついていて、とても聴きやすいですね!
さらにふたつのピックアップの間のポジションでピッキングすることもあるようです。
サウンドの印象はフロントとリアの中間。ブライトだけど、硬質すぎない印象ですね。
ピッキングのポジションは大きく分けて、"フロント・ポジション"、"センター・ポジション"、"リア・ポジション"と分類することが出来そうです。
求めるサウンドに合わせてピッキングのポジションを変えることでサウンドをコントロール!
次は運指について確認してみましょう!
メロディが半音しか動かないフレーズを演奏するときは、同じ指をスライドさせて演奏することが多いようですね。
ポジションの選択はハーモニクス・ポイントを基準に設定しているのではないかと推測します。
そうすることで、ポジションを頻繁に変えることなく、効率良く演奏できますから。
演奏が後半になり盛り上がってくるとダブルストップや、低音を交えたコードフォームも登場してきますね。
親指の位置はネックの上に出て、指先がカメラの方を向いていることが多いですね。
手の大きさなども関係してきますが、ネックに対して親指が垂直に入るポジションで構えるとBill Frisellに近づけそうです。
…などなど。動画を観ていて気付いた点を書き出してみました。
動画だけではわからないことも多かったですが、疑問点が多く見つかったのは収穫ですね。
この疑問をきっかけに、いろいろなことを深く掘り進めていくことができます。
演奏についてのアイディアもいくつか出てきましたので、どれも今からすぐに使うことができそうです!
自分で見つけることも大事ですが、先人たちの素晴らしいエッセンスを学ぶこともまた大事なこと。
学んだことを深く追求していくことも、発展させていくことも、コピーにみえて実は自分のオリジナリティを追求することと同義だと思っています。
あなたが学んだことが混ざり合い発展して、オリジナリティ溢れる演奏になるわけですね。小麦粉とイーストと水を発酵させるとパンになるように。
材料はどこにでもありますから、たくさん集めて美味しいプレイを目指しましょう!
[Infomation]
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ご覧いただきありがとうございます。
徳島出身。
11歳よりギターを始め、ギター講師・ミュージシャンを志し2011年に上京。
アコースフィア 清水敏貴氏、奥沢茂幸氏に師事。
2014年よりギタリスト 池田常久氏のユニット「Aerial」に参加。主にメロディパートを担当しています。
ライブハウス・カフェなどではソロギターによる演奏活動も行っています。
どうぞよろしくお願いいたします。
連絡先
Mail: dewahiroki@gmail.com
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