記録が文化を強くする。撮影とアーカイブに意味を持たせる
記録が文化を強くする。撮影とアーカイブに意味を持たせる
音楽の魅力は“その瞬間にしかない体験”にあります。
でも、同時にその瞬間を記録し、残していくことにも大きな価値があると僕は思っています。
なぜなら記録があることで、その文化は一時的な出来事ではなく、
積み重なり、強さを持って広がっていくからです。
レッスンでの小さな発見や、発表会での緊張した表情。
一度きりのライブで鳴った音や、手の動き、呼吸。
そういったものを映像や音声で残しておけば、
その場にいなかった人にも届けられるし、
自分自身が後から振り返ることもできます。
「昨日の自分より成長できた」と実感できることは、
次の挑戦への大きな力になるはずです。
僕にとって記録は“監視”ではありません。
むしろ“支え”であり“贈り物”です。
できなかった昨日が、できるようになった今日へとつながる証拠。
それを見返すことで、努力が可視化され、
自分を認めるきっかけになるからです。
さらに、記録は世代を越えて文化を受け渡す手段にもなります。
その時代に生きた人の音、空気、雰囲気。
それが未来の誰かにとって“学び”や“インスピレーション”になる。
僕たちが今撮っている1本の映像や1枚の写真は、
未来にとって大切な資料になるかもしれないのです。
だからこれからも、僕は撮影やアーカイブに意味を持たせたいと思っています。
ただ残すだけではなく、そこに物語や文脈を添えて、
未来の誰かが受け取れる形に整える。
その積み重ねが、文化をより強く、より豊かにしていくと信じています。