トレイ・アナスタシオのサウンド研究|アンプ直の弾き心地とサステインを両立するペダルボード

こんにちは。でわひろきです!

今回は、普段使っているペダルボードの話です。

エフェクターを使うと、いろいろな音が出せて楽しいですよね。でも、歪みを足していくうちに、ギターをそのままアンプにつないだときの手応えが少し遠くなることもあります。

ピックが弦に当たった瞬間の感じや、軽く弾いたときと強く弾いたときの違い。そういうところは、できるだけ残しておきたい。

そのうえで、ソロでは音がしっかり伸びて、パーンと前に出てほしい。そんなことを考えながら、今の組み合わせになりました。

このボードを組むうえで研究したのが、Phishのトレイ・アナスタシオ(Trey Anastasio)のサウンドです。あのアタック感と、単音が伸びていく感じが好きなんです。

トレイの音を聴きながら、音の立ち上がりや伸び方、歪みの重なり方を研究して、自分の機材でどう取り入れられるかを考えてきました。今回は、そのための接続順と使い方をご紹介します。

Micro Q-Tron、JHSコンプレッサー、2台のTS MINI、The Prophetを並べたペダルボード
足元のボード。歪みの中心は2台のTS MINIで、コンプはソロで踏み足します。
今回のポイント
つなぐ順番は「コンプ → TS MINI → TS MINI」。踏む順番は「TS MINI → もう1台のTS MINI → コンプ」です。

足元で歪みを作り、アンプ側で質感を整える

アンプはEvans Custom Amplifiers PREA100を使っています。エフェクターは、アンプのインプットにつなぐものと、センドリターンにつなぐものに分けています。

アンプのインプットまで

Guitar
  ↓
BOSS TU-3
  ↓
EHX Micro Q-Tron
  ↓
JHS 3 Series Compressor【1】
  ↓
TS MINI(Less)【2】
  ↓
TS MINI(More)【3】
  ↓
tc electronic The Prophet
  ↓
Evans Custom Amplifiers PREA100 INPUT

Micro Q-Tronは、エンベロープフィルターの音が欲しいときに。The Prophetはスラップバック用の短いディレイとして使っています。

その間にある、コンプと2台のTS MINIが今回の中心です。「Less」「More」は、2台を使い分けるために付けた呼び方です。

アンプのセンドリターン

Evans Custom Amplifiers PREA100 SEND
  ↓
Fairfield Circuitry Shallow Water
  ↓
Beyond Tube Buffer 2S
  ↓
Evans Custom Amplifiers PREA100 RETURN

足元で歪みと音の伸びを作り、プリアンプを通った後に、Shallow WaterとBeyondで質感を整える。そんな役割分担にしています。

Evans Custom Amplifiers PREA100の内蔵リバーブも合わせて使っています。ループとリバーブの内部での順序はここでは断定せず、実際に使っている接続を載せました。

つなぐ順番と、踏む順番は違う

接続だけを見ると、コンプが先、その後ろにTS MINIが2台。よくある並びに見えると思います。

ただ、コンプは常にONにしているわけではありません。基本はTS MINIから使い始めて、必要なところで一つずつ足していきます。

段階ONにするペダル使いたい音
2Less手元の表情を残したクランチ
2 → 3Less + More粘りのあるドライブ、リフ
2 → 3 → 1Less + More + コンプ音の伸びと押し出しが欲しいソロ

まずはLessだけ。手元で変えられるクランチ

1台目のTS MINI、Lessが基本の歪みです。

ギターのアタックを残しながら、少し歪みを足す。軽く弾けばおとなしく、強く弾くとグッと出てくる。ギターのボリュームを動かしたときの変化も含めて、ここを土台にしています。

ずっと同じ強さで鳴るより、自分の弾き方で音が変わってくれるほうが楽しいんですよね。

Moreを足す。リフに粘りと厚みを

もう少し歪みが欲しいときは、2台目のMoreを踏みます。

TS MINIを重ねると、自分のセッティングでは中域の粘りが増して、音がまとまってくる感じがあります。リフを弾くときは、この2台の組み合わせが気持ちいい。

ここではコンプはOFF。TS自体の圧縮感はありますが、コンプまで加えたときより、弾き始めのエッジを出しやすく感じています。

最後にコンプ。ソロで音を伸ばす

ソロに入って、もう一段音を押し出したい。そのタイミングで、最前段のコンプを踏みます。

後ろにある2台のTS MINIへ、コンプで整えて出力を上げた信号を送る。すると、単に音量を上げるだけでなく、歪みの密度と音の伸びが変わります。

自分の感覚では、ここで単音がパーンと前に出て、そのまま伸びていくんです。

すでに歪んでいるTSへ信号を足すので、出力を上げた分が、そのまま同じだけ音量増加になるとは限りません。この組み合わせでは、その押し込み方がソロにちょうどよく感じています。

コンプは、アタックを残して伸びを足す

使っているのは、JHS 3 Series Compressor。今回の設定は、Attackを最も遅い設定、Sustainを2〜3時あたりにしています。

狙いは、ピックが弦に当たった瞬間の「コンッ」という感じを残すこと。その後の音がすっと引っ込まず、伸びてくれるところを探しています。

アタックを遅くすれば、どんな弾き方でも最初の音が完全にそのまま通る、というわけではありません。それでも、実際に弾きながら合わせると、欲しかった手応えと伸びのバランスが見つかりました。

ブーストにはVolumeの調整も大切
Sustainだけで出力の上がり方は決まりません。Volumeも合わせて、ONにしたときにTSへどれだけ信号を送るかを調整しています。

使い方としてはブースターに近いのですが、コンプレッションもかかっています。音の強弱を整えながら、後ろの歪みを押す役割です。

リフではコンプを切り、ソロで踏む。この使い分けをすると、必要な場面だけ音の伸びを足せるので、自分には扱いやすいです。

アンプの上には、Shallow WaterとBeyond

Evans Custom Amplifiers PREA100アンプの上に置いたFairfield Circuitry Shallow WaterとBeyond Tube Buffer 2S
センドリターンにはこの2台。Shallow Water → Beyondの順につないでいます。

アンプの上に置いているのは、Fairfield CircuitryのShallow Waterと、Beyond Tube Buffer 2Sです。

ここは、足元で作った音の手触りを、最後に整える場所というイメージです。

Shallow Waterで、揺らぎと奥行きを

Shallow Waterでは、ランダムなピッチの揺らぎと、LPGによるフィルターの変化を加えています。

自分が欲しいのは、揺れがはっきり目立つ音というより、少し不安定さがあって、音の奥に動きを感じるような質感。テープを思わせる温かさ、と言うと近いかもしれません。

プリアンプの後ろで使うことで、足元の歪みも含めた音に、この質感を重ねています。

Beyondで、最後の手触りを整える

その後ろにBeyond Tube Buffer 2Sを置き、Evans Custom Amplifiers PREA100のリターンへ戻しています。

この組み合わせでは、Beyondを通したときの、ふくよかさや押し出しの感じが気に入っています。大きく音を変えるというより、最後に「この感じがいいな」と思えるところへ持っていく役割です。

真空管が入っているから必ずこういう音になる、という説明よりも、今のアンプとペダルを合わせて弾いたときの感触として捉えています。

土台にあるのは、Evans Custom Amplifiers PREA100の音

Shallow WaterとBeyondを天面に置いたEvans Custom Amplifiers PREA100
足元とアンプ側を合わせたシステム。Evans Custom Amplifiers PREA100の音を土台にしています。

いろいろなペダルを使っていますが、土台にあるのはEvans Custom Amplifiers PREA100の音です。

もともと、自分にとって一番理想のアンプはFender Deluxe Reverbです。ただ、ツアーでの移動や、長く使っていくうえでのメンテナンス費用も考えると、音の好みだけで選ぶのは難しいところがあります。

そこで探したのが、自分のイメージするDeluxe Reverbのような音や弾き心地を、ソリッドステートで楽しめるアンプ。その候補として白羽の矢を立てたのが、このEvans Custom Amplifiers PREA100でした。

そんなきっかけで選んだアンプですが、使っているうちに、今はEvansならではの個性が気に入っています。理想の音を探してたどり着いた先で、また別の好きな音が見つかった感じですね。

ギターを直接つないだときの手応えが好きなので、ペダルを踏んでも、その感覚をできるだけ残したい。そこへ、クランチ、リフ、ソロと、必要なものを足していく。

自分がトレイのサウンドに惹かれるのも、音が伸びるだけでなく、一音の始まりに表情があるからだと思います。

同じ機材をそろえることより、どんなふうに弾きたいか、どんなふうに音が返ってきてほしいか。そこから考えると、ペダルの使い方も決めやすくなります。

ペダルの数より、役割と使い方

今回のボードで気に入っているのは、踏むたびに、次に欲しい音へ進めるところです。

  • Lessで、手元の表情を残したクランチ。
  • Moreを加えて、リフに粘りと厚み。
  • コンプを加えて、ソロに伸びと押し出し。
  • センドリターンの2台で、全体の質感を整える。

コンプを最初につないでいても、最初に踏む必要はない。この使い方が、今の自分にはしっくりきています。

「エフェクターは使いたいけれど、アンプ直の感じも好き」という方は、つなぐ順番だけでなく、どの場面でONにするかも考えてみると面白いと思います。

同じペダルでも、組み合わせや使い方で弾き心地が変わります。自分の手に気持ちよく返ってくる音を探す時間も、ギターの楽しみの一つですね。

機材の機能について:JHS 3 Series Compressor公式ページ / Fairfield Circuitry Shallow Water公式ページ

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