7弦ギターのコードフォームを考える|Maj7・7・m7・m7♭5の展開形

7弦ギターのコードフォームを考える|Maj7・7・m7・m7♭5の展開形

7弦ギターを弾き始めて、まず考えたくなったのが 「7本目の弦をコードの中でどう使うか」ということでした。

7弦ギターというと、低い7弦を使ったリフやヘヴィなサウンドを イメージする方も多いと思います。

もちろんそれも7弦ギターの大きな魅力ですが、 今回は少し違う方向から、 Maj7、7、m7、m7♭5といった四和音を7弦ギターでどう弾くか を考えてみました。

特にテーマにしたのは、 コードネームごとにフォームを丸暗記するのではなく、 構成音と指板上の位置関係を「図形」として把握することです。


きっかけは7弦のMihaDo FingyTar

今回コードフォームを整理し始めたきっかけは、 ポーランドのMihaDoに製作してもらった 7弦のFingyTarです。

コンパクトな楽器ですが、 チューニングやコードの考え方としては7弦ギターなので、 実際に弾き始めると 「せっかく増えた7弦をどう使うか?」という問題が出てきました。

FingyTarそのものについては、 ポーランドへの注文から個人輸入、FedExでの配送、 日本で実際に受け取るまでをこちらの記事にまとめています。

MihaDo FingyTarをポーランドから個人輸入してみた

そして、届いたFingyTarで実際に演奏してみた動画はこちら。

MihaDo FingyTarを弾いてみた|7弦コンパクトギターの演奏動画

このときにも書いたのですが、 実際に弾いてみて特に研究したくなったのが、 7弦を含めたコードフォームとボイシングでした。

そこで今回はまず、 基本となる4種類のセブンスコードから整理してみることにしました。

7〜4弦を全部使えばいい、というわけではなかった

最初に考えたのは単純に、 7弦から4弦までの4本を使って、 四和音の構成音を配置していく方法です。

ところが、実際に弾いてみると これが思ったほど気持ちよくありません。

コードとしては成立していても、 低い音域に4つのコードトーンを密集させると、 音同士がコンフリクトして濁って聞こえることがあります。

特に7弦ギターでは低い音域まで使えるので、 「弦が増えたから全部使う」という考え方が 必ずしも良い結果になるとは限らないようです。

そこで発想を変えて、 低音と上のハーモニーを少し分離してみることにしました。

7・5・4・3弦を基本にしてみる

今回、実際に音を出しながら試してみて 基本形として使いやすかったのが、

7弦・5弦・4弦・3弦

という組み合わせです。

6弦をあえて鳴らさず、 7弦の低音と、その上にある3声の間に空間を作る という考え方です。

僕自身、普段からハイブリッドギターで 低音とコードを同時に扱うことが多いため、 「低音」と「上のハーモニー」を分けて考えることには馴染みがあります。

7弦を独立した低音として扱い、 5・4・3弦で残りのコードトーンを作る。

こうすると低音の存在感を残しながらも、 上のコードトーンとの距離を確保できます。

7弦ギターだから7本を満遍なく使うのではなく、 必要な弦を選んで鳴らす

実際に弾いてみると、 この考え方の方がそれぞれの音の役割を聞き取りやすく感じました。

まずは4種類のセブンスコードを整理

今回コードフォームを作ったのは、次の4種類です。

  • Maj7(メジャーセブンス)
  • 7(ドミナントセブンス)
  • m7(マイナーセブンス)
  • m7♭5(マイナーセブンス・フラットファイブ)

ジャズやポピュラー音楽でも頻繁に登場する、 基本的な四和音です。

コード表では特定のキーのコードネームではなく、 構成音を度数で表しています。

  • R = Root(ルート)
  • M3 = Major 3rd(長3度)
  • m3 = Minor 3rd(短3度)
  • 5 = Perfect 5th(完全5度)
  • ♭5 = Flat 5th(減5度)
  • △7 = Major 7th(長7度)
  • m7 = Minor 7th(短7度)

そのため、 ルートの位置を変えれば同じ図形を別のキーでも使うことができます。

Maj7と7のコードフォーム

まずはMaj7と7(Dominant 7th)です。

コードフォームをひとつずつ別物として暗記するのではなく、 それぞれの構成音が指板上のどこにあるのかを見ながら、 図形として捉えていきます。

Maj7の構成音は、

R・M3・5・△7

そしてDominant 7thは、

R・M3・5・m7

です。

つまり、

Maj7の△7を半音下げれば、Dominant 7thになる。

という関係です。

Maj7と7をまったく別のフォームとして覚えるのではなく、 「この音を半音動かすとコードの種類が変わる」 と理解しておくと、指板全体がかなり整理しやすくなります。

m7とm7♭5のコードフォーム

続いてm7とm7♭5です。

m7の構成音は、

R・m3・5・m7

m7♭5は、

R・m3・♭5・m7

です。

こちらも違いはひとつ。

m7の5thを半音下げれば、m7♭5になる。

フォームを図形として覚えておけば、 5thの位置を把握することで m7とm7♭5を行き来できるようになります。

4種類のコードは全部つながっている

さらに4種類をまとめて考えてみると、 それぞれの関係はとてもシンプルです。

Maj7
↓ 7thを半音下げる
7
↓ 3rdを半音下げる
m7
↓ 5thを半音下げる
m7♭5

つまり、 Maj7、7、m7、m7♭5という4種類のコードフォームを 完全に別々のものとして暗記する必要はありません。

7th、3rd、5thをひとつずつ半音動かすことで、 同じ基本的な図形からコードの性格を変えていくことができます。

僕はこういうコードフォームを覚えるとき、 コードネームだけで記憶するよりも、 「ルートに対して3rdはここ、7thはここ」と 指板上の位置関係として捉えるようにしています。

そうしておくと、 テンションを加えたり、一部の構成音を省略したりするときにも 応用しやすくなります。

7弦ギターだからこそ「全部鳴らさない」

今回コードフォームを考えていて、 改めて面白いと思ったのがここです。

7弦ギターを持つと、 どうしても増えた一本を積極的に使いたくなります。

でも、 低音を増やせることと、低音をたくさん鳴らすことは別 なんですよね。

特に四和音では、 低い音域にすべてのコードトーンを集めるよりも、 低音と上声部の間に適度な距離を作った方が それぞれの音がきれいに聞こえることがあります。

今回の7・5・4・3弦という配置も、 「7弦ギターではこれが正解」という意味ではありません。

僕が実際にFingyTarを弾きながら、 低音とコードを共存させやすい配置として選んだひとつの方法 です。

演奏する音域やアンサンブル、 使いたいトップノートによっては、 7・5・3・2弦のようにさらに広げたり、 別の弦の組み合わせを使ったりすることも考えられます。

むしろ7弦ギターの面白さは、 増えた一本によって ボイシングの選択肢そのものが増えること なのかもしれません。

7弦を「低い弦が一本増えたギター」で終わらせない

まだFingyTarを弾き始めたばかりですが、 コードフォームを整理してみるだけでも 7弦ギターの見え方が少し変わってきました。

単純に6弦ギターの下に一本追加されたものとして考えるのではなく、

低音をどこに置くか。
コードをどの音域に置くか。
どの弦をあえて鳴らさないか。

というところまで含めて考えると、 かなり自由度の高い楽器です。

特に僕の場合は、 低音とコードを同時に扱うハイブリッドギター的な演奏をするので、 7本目の弦は単なる音域拡張以上の意味を持ちそうです。

次はテンションやボイスリーディングも

今回作ったコード表は、 あくまで7弦ギターで四和音を扱うための基本形です。

まずはMaj7・7・m7・m7♭5を使いながら、 実際のコード進行の中で身体に馴染ませていこうと思います。

そのうえで今後は、

  • 2弦・1弦まで使った広いボイシング
  • トップノートを固定したコードチェンジ
  • 9th、11th、13thなどのテンション
  • ルート以外を低音に置いたボイシング
  • コード進行の中でのボイスリーディング
  • 低音とコード、メロディを同時に扱う方法

なども試してみたいところです。

理論上作れるフォームをすべて並べるというより、 実際に演奏して「これは使える」と思ったものを残していく つもりです。

また面白い形が見つかったら、 コード表と一緒にこのブログで紹介していきます。

MihaDo FingyTarの記事はこちら

今回コードフォームを考えるきっかけになった MihaDo FingyTarについては、 こちらの記事でも詳しく紹介しています。

FingyTarそのものについても、 7弦ギターのコードやボイシングについても、 実際に使いながら少しずつ記録していこうと思います。

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